アクアフィリング豊胸の問題点
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こんにちは、「正しい」を軸に美容医療の情報を発信する、医師の野原有起です。
今回は、アクアフィリングの問題点について解説していきます。
アクアフィリングとは

AQUAfilling®は98%の生理食塩水と2%のカチオン性ポリアクリルアミドで構成された生体用の充填剤(フィラー)です。これと同様の製剤が名前を変えて、AQUAlift®(2015年にActivegel®に改名)、LosDeline®(2018年にAquafilling®から改名)、他、Interfall®、Outline®、Formacryl®、 Bioformacryl®、Argiform®、AmazingGel®、BioAlcamid®などの名前でリリースされています。これらは名前が違うだけで、基本的には同じであり、これらをまとめて「アクアフィリング」とカタカナで呼ぶことにします。
アクアフィリングは発売当初、ヒアルロン酸に変わる画期的なフィラー剤として、流行りました。生理食塩水を加えれば溶ける性質を持ちつつ、8〜10年単位で形を維持すると言われていました。シリコンバッグや脂肪豊胸などの大掛かりな手術は必要とせず、針で注入するだけなので、ダウンタイムも軽く、こんな夢のようなフィラー剤は、今でもないと思います。
アクアフィリングの使用禁止
しかしある時点から炎症反応、膿瘍形成、線維化、物質の移動などの合併症が問題となり、中国では200万人もの被害者を出しました。アメリカはそもそもフィラー材による豊胸を認めていません。アクアフィリングは日本では2015年頃に広まり始めましたが、2018年頃には合併症の問題が顕著化して、下火になりました。未だに使用しているクリニックがあるかもしれませんが、メニューに載せていること自体、リテラシーが無いクリニックと思います。
どのような危険性があるか?
アクアフィリングは水を加えれば溶けてなくなると言われていましたが、実際にはそのようなことはなく、体内に残存し続けます。注入された位置にとどまっていれば問題がないわけですが、実際には周囲組織を破壊し、巻き込みながら移動するという厄介な物質で、炎症反応、膿瘍形成、線維化を引き起こします。
また授乳に関連して感染を引き起こすことが知られています。授乳に伴って拡張した乳管にアクアフィリングの成分が詰まって、乳瘤という塊を作りそこに感染が重なり慢性的な乳腺炎を発症します。このためアクアフィリング豊胸を行った人は授乳をすべきではありません。そして赤ちゃんへの影響もわかっていませんが、もしかしたら発癌性(動物実験では発癌性あり)があるかもしれない物質が、授乳により母乳から赤ちゃんに移行するかもしれません。吸収されるかどうかは別問題ですが、そんな危険を犯してまで、授乳が必要でしょうか? かなり疑問です。
アクアフィリング除去の推奨
もし、すでにアクアフィリング豊胸を受けている方がいたら、私は直ちに除去することをお勧めしています。なぜなら、いつ組織を破壊し始め、体内で拡散していくのか不明だからです。体内に拡散すると取り除くことは困難となります。
アクアフィリングの除去方法
体内に塊で存在している状態なら、吸引管を使用して除去することが可能です。
もしすでに拡散してしまっている場合は、摘出手術が必要になってきます。時間が経過すればするほど除去するのが困難になります。
アクアフィリング豊胸を受けてしまった人は、早めに取り除くことを推奨しています。
当院でもアクアフィリング除去を承っておりますので、ぜひ、ご相談ください。





