脂肪豊胸後のシコリへの懸念は正しいのか?
- Yuki Nohara
- 7月29日
- 読了時間: 4分

こんにちは正しい美容医療を提供する野原有起です。
今回は、私がライフワークとして取り組んでいる「脂肪豊胸後のシコリ」について、正しい内容をブログに書くことにしました。
脂肪豊胸は非常に理想的な豊胸方法だと思いますが、脂肪豊胸後のシコリを懸念してあるいは危険視してしまうのは非常に残念だと思っています。
今回、脂肪豊胸後のシコリはガン化することはあるのか、脂肪豊胸後のシコリが乳がんの診断の妨げになるかについての誤解を解いていこうと思います。
シコリはガン化することはあるか?
→結論、癌になることは絶対にありえません。
脂肪注入で入れた脂肪が例えシコリになったとしても、乳がんになることはありません。
理由は乳がんは乳管という授乳の際にミルクを運ぶ管の壁の細胞(乳管上皮)がガン化して発生するものです。注入した脂肪には乳管の壁はそもそも含まれていないため、乳がんになりようがありません。
脂肪注入したら乳がんになるから危険としている人がいたら、そのようなことは絶対にないことがわかると思います。
シコリができると乳がんとの区別ができず、診断が遅れて手遅れになるか?
→結論、そのようなことはありません。
シコリが乳がんとの区別が難しいから脂肪豊胸はやめましょうという医師が時々いますが、私からすると時代遅れだなって感じてしまいます。確かに過去に、1987年にアメリカ形成外科学会は脂肪注入後のシコリが乳がんの発見を妨げる可能性があることを理由に、禁止する勧告を出しています。
しかしそこから時代は進みました。1980年代のエコーと現代のエコーでは解像度が全然違います。ガラケー時代のカメラの性能と最新のiPhoneでは比較にならないくらい写真の解像度が違うのがわかると思います。それくらい画像検査は進化しています。そしてエコーだけでもし区別に難渋したとしても、造影MRI検査をしたら一発で区別できます。なぜなら、造影剤を血液に流した状態で、脂肪豊胸後のシコリは壊死によってできているので血流はありません。しかし乳がんは血流をがん細胞に引き込んでもっと大きくなろうとする性質があるので、非常に血流が豊富です。その違いをみれば、簡単に区別できます。それでも不安なんだけどって言う方は、細胞診や組織診といった細胞や組織をサンプルとして採取して顕微鏡検査に出したら、確実な区別ができます。
画像検査の進歩とシコリを作らない注入技術によって、2005年以降はアメリカでの脂肪注入は急速に普及しました。いまでは乳房再建に使えるのではないかと、日本でも保険適応を検討する時期になっています。余談ですが、脂肪注入テクニックで有名なコールマン法のColemanは1987年から2005年のことを失われた19年間と表現しています。
シコリを作らない注入技術について
Colemanは、脂肪注入する際には2.4mm以下のサイズで注入しないと中心部に血流が届かず脂肪壊死が発生することを論文に書いています。このため、注入の際にはスパゲッティの麺のような細さで細かく分散して行う、ヌードルインジェクションが推奨されています。この方法で入れさえすれば、例えシコリができたとしても5mm以下のオイルシストの形成にとどまるため、穿刺するだけで解決することができます。
逆にこれ以外の方法で注入されたものは、大きなシコリを形成する可能性がありますので、簡単な方法で摘出できず、最悪の場合、切開して取り除く必要が出てきますので、きちんとした技術を持った医師なのかは、見極めて施術を受ける必要があります。
最後に5mm以下のオイルシストを穿刺する様子を動画でみせます。
このように小さなオイルシストではバストの大きさは小さくなることなく、穿刺によって問題を解決することができます。
終わりに
いかがでしたか?
今回は、脂肪豊胸後のシコリに対する懸念は正しいかをテーマにしました。
脂肪豊胸は安全で理想的な豊胸方法です。安全性の面、形の美しさなど様々なこだわりが詰まった、脂肪豊胸を行っています。私もこうなりたいなって思いましたら、是非、カウンセリングでご相談ください。






